支出の把握のみでも家計のキャッシュフローは十分効果を発揮する

「将来のキャッシュフローの予測は当てにならない」、「家計のキャッシュフローは机上での話」。これらの指摘はある意味当たっている。長年、家計のキャッシュフロー(将来の収入と支出、そして、これらから得られる将来に渡っての手元資金の推移)を描き続けてきた筆者も、同じような感覚を持ったことがある。

実は、これらの指摘は、将来に渡って安定して収入を得ていくことは大変困難だという事実に端を発している。収入が安定している人はごく僅かで、普通の企業に勤めている人は、給与の減額もあれば、ボーナスがないこともある。さらに、転職することや会社が倒産することもありうるだろう。

それでは、キャッシュフローは役に立たないのか。キャッシュフローは単なる絵に描いた餅でしかないのか。実は、支出の方に目を向けるとそうとも言えないのだ。支出はある程度予測がしやすい。さらに、重要なことは、支出を実現するために収入を得ているということである。要するに、支出が目的であり収入は手段だということだ。

支出が目的であるから、将来予定される支出のキャッシュフローを把握するだけでも、十分に効果を発揮することになる。なぜなら、それが一つの目標となり、行動を起こすきっかけを生むからである。そして、毎年の支出を凌ぐために、家族一丸となって稼ぐことにつながっていくだろう。

まずは、支出のキャッシュフローを作成してみてはどうだろうか。それが、危機感を醸成し、行動を起こすための原動力を生み出してくれるだろう。支出のキャッシュフローは、人生をより積極的なものに変えてくれるに違いない。

 

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